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フェアリー ガネット(Fairey Gannet, カツオドリの意)は、1950年代にフェアリー社が設計、生産しイギリス海軍で使用された艦上対潜哨戒機である。エンジンにはターボプロップを採用し、ずんぐりとした胴体に緩い逆ガル翼を持つ。その全体的な見栄えから、「世界でもっとも醜い航空機」と称されることもある〔http://www.thunder-and-lightnings.co.uk/gannet/index.html〕。 == 概要 == === 計画 === 1945年にイギリス海軍は、仕様書GR.17/45を発行した。これは艦載対潜哨戒機を作るというものであり、ブラックバーン社とフェアリー社が答えた。ブラックバーンはブラックバーン B-54を、フェアリー社はフェアリー17(後のガネット)を提案した(フェアリ社内ではタイプQと呼んでいた)。 フェアリー17のエンジンにはアームストロング・シドレーが開発したマンバ ターボプロップエンジンを2基つなげた構造である、ダブルマンバエンジン(ツインマンバとも。2,950 hp)(en)を使用することとした(エンジンの選定においては、ロールス・ロイス マーリンエンジン2機も検討されたが、大きさの問題からダブルマンバエンジンに決定したとされる)。乗員は3名(1名は後方の第2コックピットに搭乗)とし、折り畳み翼は通常の2つ折りではなく、3つに折れるようになっている(そのため、畳んだ状態が「Z」字形になるという特徴を持つ)。 このエンジン方式の特徴としては、片肺飛行が可能という点にある。マンバエンジンをそのまま2つ結合させたものであるダブルマンバエンジンは、それぞれが独立した稼動が可能である。そのため一方を停止させて、もう片方のみで飛行することが可能であり、これは燃料節約による航続距離の増加が期待できた。しかし、稼働中のエンジンが止まることがあったとされ、低空でこの動作は勧められなかったとパイロットは述べていたとされる。またその事故が起こった際には、エンジンの再稼動までの間、パイロットに精神的負担を強いていた。 なお、通常の双発機で片肺飛行を行った場合、推力が左右で非対称であることから問題が起こるが、ガネットの方式では2つのエンジンは同軸上に位置するため、これを気にする必要はなかった。また燃料について、ターボプロップでは通常ケロシン(灯油)が使用されるが、このエンジンは当時の艦船が使用していたディーゼル燃料(軽油)でも飛行することが可能であったという特徴がある。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「フェアリー ガネット」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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